交通事故が原因でPTSDを発症|後遺障害認定は受けられる?
交通事故の体験が精神的に大きな負担となり、数か月が経過してからPTSDという深刻な状態になるひともいます。
本記事では、交通事故が原因でPTSDを発症した場合、後遺障害認定は受けられるのかを解説します。
PTSDとは
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)とは、死の危険に直面するような、精神的に強い衝撃を受けたことが原因で発症する心の病気です。
生死に関わる体験をすると、不安、不眠、動悸やフラッシュバックなどの諸症状が現れますが、ほとんどの場合は数か月のうちに落ち着くひとが多いとされています。
しかし、時間が経っても症状は良くならず、日常生活に支障が出る場合もあります。
PTSDに見られる症状
PTSDの症状には、本人の意思とは関係なく、ふとした瞬間に交通事故時の恐怖や苦痛などが鮮明に蘇ってしまうフラッシュバックがあります。
サイレンの音を聞いたり交通事故のニュースを見たりすると、動悸や気分が悪くなるなどの症状が現れるのです。
他にも、交通事故の記憶を思い出さないように車に乗ることを避けるといった回避行動や、落ち着かずイライラしたり、警戒心が強くなったりなどの過敏な状態になる過覚醒症状があります。
交通事故によるPTSDの後遺障害認定
後遺障害とは、交通事故が原因であると医学的に証明されるとともに、治療を受けても完治しない状態に達し、労働能力の低下または喪失が認められる症状です。
なお、症状の程度が自賠責保険の等級に当てはまるものと定義されています。
後遺障害等級には1~14級までありますが、PTSDで認定を受けられる可能性がある等級は、9級・12級・14級のいずれかです。
ただし、基本的にPTSDは治癒する病気と考えられている点、また、症状の存在を第三者証明することが難しい点から、後遺障害認定を受けるのは困難であると考えられています。
後遺障害認定を受ける要件
PTSDは、脳の損傷を伴わない精神的な障害で「非器質性精神障害」と呼ばれており、一目見てわかるような怪我と比べると、精神的な障害は交通事故との因果関係を証明するのは難しくなります。
交通事故が原因で発症したPTSDが後遺障害認定を受けるには要件があり、主に以下の通りです。
- 交通事故とPTSDの因果関係の証明
- 医師による診断
- 症状固定
まとめ
本記事では、交通事故が原因でPTSDを発症した場合に、後遺障害認定は受けられるのかを解説しました。
交通事故とPTSDの因果関係を立証し適正な慰謝料を受け取るために、弁護士に相談することも検討してみてください。
Basic knowledge当事務所が提供する基礎知識
-
代襲相続とは?相続人...
代襲相続とは、本来相続人となるはずの被相続人の子または兄弟姉妹が既に死亡していたり、相続人の地位を失ったりしている場合に、その者の子が代わりに相続することをいいます。代襲相続が発生する要因には、以下のものが挙げられます。 […]

-
不動産トラブルを弁護...
「隣人と騒音をめぐってトラブルになってしまい、嫌がらせをされる日々が続いている…」「新築で立てた待望の新居に欠陥が見つかり、途方にくれている…」このように、ご自宅や住環境に関する法律的なお悩みを「不動産トラブル」と呼びま […]

-
親権と養育費の取り決...
「子どもが2人いるなかで離婚しようと考えている。2人の親権をとりたいが、経済的に厳しいと考えられてしまうだろか。」「高校進学を控える子どもがいるなかで離婚を検討しているが、大学の学費などは養育費として請求できるか、子ども […]

-
相続放棄はどこまで続...
何らかの事情で被相続人の財産を相続しない場合には、相続放棄をすることが可能となっています。そこで相続放棄を考えていらっしゃる方から、相続放棄の範囲はどこまで続くのかといったご質問をいただくことがあります。当記事では、相続 […]

-
離婚調停を拒否したい...
離婚調停を申し立てられたものの、「話し合いに応じたくないから欠席したい」と考えている方もいるかもしれません。しかし、無断で調停を欠席し続けていると、思わぬ不利益を受ける可能性があります。今回は離婚調停を拒否したい場合、無 […]

-
浮気(不倫)の慰謝料...
民法上、物質的な損害ではなく、精神的な苦痛も一定程度において賠償を請求することができます。精神的な苦痛の代わりに、請求することが可能な金銭は慰謝料と呼ばれています。しかし、どんな精神的苦痛であっても、慰謝料が発生するわけ […]

Keywordよく検索されるキーワード
-
エリアに関するキーワード
Lawyer弁護士紹介
相続、遺言、離婚をはじめ個人のご依頼はもちろん、事業承継や会社の債権回収等、法人のご依頼も承っております。お気軽にご相談ください。
-
- 代表者
- 山根 尚浩 (やまね なおひろ)
-
- 所属団体
-
- 愛知県弁護士会
-
- 経歴
-
- 平成 3年 弁護士登録
- 平成11年 事務所開設
Office事務所概要
| 名称 | 山根法律事務所 |
|---|---|
| 代表者 | 山根 尚浩 (やまね なおひろ) |
| 所在地 | 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-13-26 加藤ビル2階 |
| 電話番号 | 052-220-7168 |
| 営業時間 | 平日 9:00~17:30(事前予約で時間外も対応可能です) |
| 定休日 | 土・日・祝(土曜日は事前予約で対応可能です) |