症状固定と後遺障害等級認定について
「バイクで走行中に乗用車から追突され、大けがを負ってしまった。幸いにも回復し、元の生活に戻れそうだが、後遺症が残る可能性もあり、今後の仕事が心配だ。」
「夫が出勤時に交通事故に巻き込まれ、重い後遺症を負ってしまった。自営業だが、十分な補償が受けられるかどうか不安だ。」
交通事故の被害に遭い、後遺症が残ってしまった場合には、こうしたお悩みをお持ちになられる方が数多くいらっしゃいます。
このページでは、交通事故にまつわるさまざまなキーワードのなかでも、後遺症の症状固定と後遺障害等級認定についてスポットライトをあてて、くわしくご説明してまいりたいと思います。
■症状固定
症状固定という言葉は、ほとんどの方にとって耳慣れないものなのではないでしょうか。
症状固定とは、これ以上の治療を続けても症状が現在よりも良くなったり回復したりする見込みがないと医師が診断したものを、裁判所が法的に決定することをさします。概ね、医師の診断通りになることが多いですが裁判所がこれと異なる判断をすることもあります。
症状固定されることで、以降は治療されていた症状について後遺症として取扱われることになります。
交通事故による怪我の治療に関係して症状固定という言葉が使われるのはもちろんですが、交通事故以外の怪我や病気などでも症状固定という言葉は用いられます。
■後遺障害等級認定
症状固定についてご説明したので、次は後遺障害等級認定についてのご説明に移ります。
後遺障害等級認定という言葉も、ほとんどの方にとって非常に聞きなじみのない言葉だといって差し支えないのではないでしょうか。
まず交通事故における後遺障害についてですが、後遺障害とは、後遺症のなかでも自賠法施行令に定められた基準を満たしたものをさします。
そのため、全ての後遺症が後遺障害として認められるわけではないということに、注意が必要です。
後遺障害認定は、自賠法施行令に定められた1級から14級の基準に照らして判断されます。
ここで、基準を満たしていると判断されると、その後遺障害がどの等級に相当するのかを認定します。
これが、後遺障害等級認定とよばれるものです。
後遺障害等級認定を行っているのは、被害者の方に治療を行っている医師ではありません。
後遺障害等級認定は、公的な機関である損害保険料率算出機構という機関が行っており、医師は認定について判断する一つの材料となる後遺障害診断書を提出するにとどまります。
■後遺障害等級認定の申請
後遺障害等級認定の申請方法は2通りあります。
1つ目は、事前認定と呼ばれる方法です。
事前認定とは、加害者側の保険会社が申請手続きの一切を行う方法です。
一見被害者にとっては大きなメリットのある方法ですが、症状固定の診断がなされるよりも前の時期に後遺障害等級認定の申請が行われるケースや、認定のための十分な資料の提出がないまま申請されるようなケースもあるため、後遺障害として認定されなかったり、適切な等級認定がなされなかったりする可能性があります。
2つ目は、被害者請求とよばれる方法です。
被害者が自賠責保険会社へ後遺障害等級認定申請を行う方法で、十分な資料を用意して申請に臨めますが、準備が煩雑になるデメリットもあります。
後遺障害等級の認定は複雑であるため、後遺障害認定証を獲得するには弁護士への相談が最適です。
山根法律事務所は名古屋市中区丸の内を中心に、清須市、豊山町、尾張旭市、豊明市、大府市、東海市などにお住まいの方に広くお応えする、地域密着型の法律事務所であり、事前のご予約で休日・時間外もご対応可能です。
交通事故でお悩みの方は、山根法律事務所までお気軽にご相談ください。
Basic knowledge当事務所が提供する基礎知識
-
債権回収を弁護士に依...
「お店におけるお客さんからのツケが返ってこない…」「お金を貸した友人に『今度返す』と何度も言われるものの、実際にお金が返ってきたことがない…」このように、債権回収に関するお悩みは、一度発生してしまうと解決が長引いてしまっ […]

-
交通事故における人身...
交通事故が発生した場合には、人身事故か物損事故かによって慰謝料や加害者の責任が変わってくるため非常に重要なポイントです。当記事では、人身事故と物損事故の違いについて詳しく解説をしています。人身事故と物損事故の区別方法物損 […]

-
離婚時の財産分与|対...
離婚により財産分与となったが、財産分与の対象となる財産の範囲はどこまでなのかといったご質問をいただきます。当記事では、財産分与の対象となる財産について詳しく解説をしていきます。財産分与とは財産分与とは、離婚の際に夫婦の共 […]

-
相続放棄はどこまで続...
何らかの事情で被相続人の財産を相続しない場合には、相続放棄をすることが可能となっています。そこで相続放棄を考えていらっしゃる方から、相続放棄の範囲はどこまで続くのかといったご質問をいただくことがあります。当記事では、相続 […]

-
自己破産・債務整理を...
「長年に渡って借金を重ねた結果、自分が持つ借金の総額が分からなくなってしまっている…」「債務整理をしたいが、まず何から始めたらいいか分からない…」このように、自己破産や債務整理に関するお悩みをお持ちの方は決して少なくあり […]

-
【弁護士が解説】1回...
離婚協議が不成立の場合、調停委員の仲介のもと、離婚成立を目指して話し合いを進めます。1回目の離婚調停で聞かれることは形式化されているため、当日を迎えるまでに答えられるよう準備をしておくことが大切です。本記事では、1回目の […]

Keywordよく検索されるキーワード
Lawyer弁護士紹介
相続、遺言、離婚をはじめ個人のご依頼はもちろん、事業承継や会社の債権回収等、法人のご依頼も承っております。お気軽にご相談ください。
-
- 代表者
- 山根 尚浩 (やまね なおひろ)
-
- 所属団体
-
- 愛知県弁護士会
-
- 経歴
-
- 平成 3年 弁護士登録
- 平成11年 事務所開設
Office事務所概要
| 名称 | 山根法律事務所 |
|---|---|
| 代表者 | 山根 尚浩 (やまね なおひろ) |
| 所在地 | 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-13-26 加藤ビル2階 |
| 電話番号 | 052-220-7168 |
| 営業時間 | 平日 9:00~17:30(事前予約で時間外も対応可能です) |
| 定休日 | 土・日・祝(土曜日は事前予約で対応可能です) |