【弁護士が解説】1回目の離婚調停で聞かれることとは?
離婚協議が不成立の場合、調停委員の仲介のもと、離婚成立を目指して話し合いを進めます。
1回目の離婚調停で聞かれることは形式化されているため、当日を迎えるまでに答えられるよう準備をしておくことが大切です。
本記事では、1回目の離婚調停で聞かれることについて解説します。
結婚した経緯
離婚調停に至った理由を把握するため、「結婚した経緯」は必ず聞かれます。
思い出話や苦労話を語る場ではないため、どのように出会い、結婚するに至ったのかを時系列に沿って簡潔に説明しましょう。
離婚を決意した理由
「離婚を決意した理由」は、今後どのように解決へと導いていくのかを調停委員が判断するにあたって大変重要です。
「一緒にいるのが精神的に辛い」というような伝え方ではなく、なぜそうなったのか、いつ頃からなのか、また、状況を良くしようと努力したのかなど、具体的に説明しましょう。
現在の夫婦関係や生活状況
別居しているのか、生活費はどうしているのかなど、現在の夫婦関係や生活の状況について聞かれます。
家賃、水道光熱費や学費などの生活費全般を婚姻費用といい、夫婦はたとえ別居中であったとしても、お互いが同じ水準で生活していけるように保障しなければならない「生活保持義務」があります。
多く収入を得ている方が生活保持義務を負うため、自分の収入が少ない場合、相手がその義務を全うしているかも確認されるでしょう。
子どもに関すること
夫婦に未成年の子どもがいる場合、必ず決めなければならない親権、養育費や面会交流などについても質問されます。
また、子どもの年齢が幼い場合は難しいですが、一般的に15歳以上の子どもである場合、離婚調停においても子どもの意志が尊重されます。
子どもが離婚をどう受け止めているのか、すでに別居中である場合どちらの親と一緒に暮らしているのかなども詳しく聞かれるため、正直に答えることが大切です。
離婚成立後の生活に関すること
離婚が成立した後、住まいの確保や生計をどう立てていくのか、子どもがいる場合は養っていけるのかなど、生活に関することを質問されます。
もし、専業主婦(主夫)で無職である場合は、就職予定並びに収入の見込みがあることを答えられると、問題なく生活を送っていけると判断される可能性が高まるでしょう。
慰謝料や養育費などの離婚条件
離婚調停を成立させるためには、離婚条件も重要であると考えられています。
以下の項目について答えられるように準備しておくことが大切です。
- 養育費
- 親権
- 財産分与の取り決め
夫婦関係を修復できる可能性
調停は、当事者間の紛争をお互いに譲歩し合い解決を目指す手続きであるため、夫婦の関係に修復できる余地がある場合、調停委員から仲直りを提案されることもあります。
離婚する意思が固い場合、修復しようと努力したこと、努力したものの婚姻生活を継続できないことなどを明確に伝えることが大切です。
まとめ
本記事では、1回目の離婚調停で聞かれることを解説しました。
離婚調停では、感情的にならずに要点をまとめて落ち着いて話すことが大切です。
養育費や慰謝料などの請求金額について悩んでいる場合は、弁護士に相談することも検討してみてください。
Basic knowledge当事務所が提供する基礎知識
-
法定相続人と法定相続...
■法定相続人とは相続人とは、相続によって亡くなった方(被相続人)の財産等を承継する人のことをいいます。被相続人が遺言書を作成していなかった場合には、民法にしたがって相続人が決定することとなります。このようにして決定する相 […]
-
遺言書の種類と効力に...
■遺言書の効力遺言の効力は、遺言者の死亡の時に発生します(985条1項)。具体的には、自身の死亡を条件とした財産等の贈与(遺贈)や、相続における遺産分割方法の指定などの効力を生じさせることができます。 遺言がな […]
-
親権と監護権|それぞ...
夫婦が離婚を選択した際には、2人の間に生まれた子どもについて親権をどちらが持つか決める必要があります。 親権とは、親が持つ未成年の子どもにおける権利のことです。親権をもっているのは子どもの父母であり、親権者と呼 […]
-
遺産分割協議と遺産分...
■遺産分割協議遺産分割協議とは、相続財産の分配方法を決定する協議です。遺産分割協議は共同相続人全員の同意により成立し、その方法には特に指定はありません。そのため、一堂に会しての会議の形をとることはもちろん、電話会議や回覧 […]
-
離婚調停の流れ|不成...
離婚は、夫婦が婚姻状態を解除する手続きをいいますが、実際にはさまざまな離婚方法が存在しています。以下では、その中でも離婚調停について、その概要や離婚調停の流れ、不成立となった場合の対処法についてご説明いたします。離婚調停 […]
-
相続放棄とは
■相続放棄とは相続放棄とは、相続人としての地位を放棄し、権利義務を一切承継しないという意思表示をいいます。相続財産にはプラスの財産のみならず借金等のマイナスの財産も含まれるため、相続財産が合計でマイナスとなってしまうよう […]
Keywordよく検索されるキーワード
Lawyer弁護士紹介

相続、遺言、離婚をはじめ個人のご依頼はもちろん、事業承継や会社の債権回収等、法人のご依頼も承っております。お気軽にご相談ください。
-
- 代表者
- 山根 尚浩 (やまね なおひろ)
-
- 所属団体
-
- 愛知県弁護士会
-
- 経歴
-
- 平成 3年 弁護士登録
- 平成11年 事務所開設
Office事務所概要
名称 | 山根法律事務所 |
---|---|
代表者 | 山根 尚浩 (やまね なおひろ) |
所在地 | 〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-13-26 加藤ビル2階 |
電話番号 | 052-220-7168 |
営業時間 | 平日 9:00~17:30(事前予約で時間外も対応可能です) |
定休日 | 土・日・祝(土曜日は事前予約で対応可能です) |